俺の人生はやり直せる。この奇跡の村でなら―― 日本一のワイナリーにジャム工房、モネの絵のような睡蓮の庭……この谷をダムの底に沈めてはならない。ここには人を活かし幸せにする何かがある。 辻原登氏、?樹のぶ子氏、伊集院静氏の選考委員一致で受賞が決まった第8回日経小説大賞受賞作! 日経小説大賞(日本経済新聞社・日本経済新聞出版社共催)で、昨年の第8回受賞作に選ばれたのは、「再出発」の物語。別れ、老い、病、失業、失恋、若き日の挫折……一度は希望をなくし、何かをあきらめてしまった人が希望を得て「再出発」をはかる時に欠かせないもの。それは、自分が社会に活かされているという充実感、そして自分を受け入れてくれる仲間の存在。 第二の人生を見つける人たちの物語と、限界集落という「あきらめ」の中で新たに生まれ変わろうとする山あいの小さな村の物語がシンクロし、「あきらめ」と「嫉妬」が支配し閉塞感が漂う日本という国の希望まで見通す物語となっている。 <あらすじ> 山梨県北部の山あいの過疎の村が舞台。大水害に見舞われたことを受けて半世紀前に計画されたダム建設は中断しているが、ダムに沈みゆく土地の移転代替地では補償金を使い、高齢者介護・医療を目玉とする「シニアの郷」計画が進む。若年性認知症と診断された59歳の西澤亮輔は、都内の大手企業を早期退職して「郷」に移住する。自らの終の棲家とする条件に見合った場所だったからだ。しかし、施設はどこか暗く、西澤も老け込むばかりの毎日。 なぜダム建設が計画のまま中断されているのか。それは水没予定地に留まり、ダム建設に反対する1%の人々がいるからだった。その集落は村人から「姥捨て村」と呼ばれ、完全に孤立している。しかし、そこには水害で母や弟妹を失った過去を持つ男が営む「日本一のワイナリー」があるという。のだ。ある日、思い立って西澤が訪ねると、理想郷のような風景が広がっていた。 著者について 太田俊明 作家 1953年千葉県松戸市生まれ。東京大学在学中、硬式野球部の遊撃手として東京六大学野球で活躍。卒業後は総合商社、テレビ局に勤務し、2013年に定年退職。15年、第7回日経小説大賞最終候補。 ※2017年2月現在のものです |
この商品の説明
著者/アーティスト
著者: 太田俊明
商品仕様
- アイテム名:書籍
- ページ数:242p
- 大きさ:19cm(B6)
- 出版社:日本経済新聞出版社
- ISBN-10:4532171431
- ISBN-13:9784532171438
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